TCR(上)とTCR ADVANCED(下)、二枚の写真を撮影しました。ここでチェックしていただきたいのは、シートポストとサドルのレールの取り付け位置の違いです。サドルは、TCRはフィジーク・アリオネ、TCR ADVANCEDの方は、SHIMANO PRO TURNIX CARBONです。
フレームのサイズもジオメトリーも同じで、サドルの前後位置(BBに対する後退幅)はほぼ同じなのですが、シートポストの形状やセットバック量の違いにより、TCRの方はサドルがぎりぎり後ろまで下げられているように見えます。
対してTCR ADVANCEDの方は、シートポスト上のサドル取り付け位置のセットバック量を前用と後ろ用で変えることができます。後ろ用のセッティングにしてあるので、サドルをサドルレールの中程で固定することができています。
ポジション的には両方とも変わらないのですが、決定的に違うことがあります。それはシートポストとサドルレールのたわみです。
上のTCRの場合サドルに腰掛けたときに、前部分に支点があるので力の作用点との距離も長く、サドルが後ろ方向に倒れる感じで大きくたわみます。
TCR ADVANCEDの方は、レールの中程に支点があるので大丈夫です。またそれだけでありません。形状を見れば一目瞭然ですが、幅がある翼型シートポストは前後方向の曲げに対して強さを持っていますので、丸型と比べると剛性の違いが出ます。それに、シートチューブもタイヤと接触する部分をえぐりこむ作りとなっているので、TCRに比べて後ろに出ていてたわみにくい構造になっています。
実際に体重をかけてみたときにTCRの方はけっこうたわみますが、TCR ADVANCEDの方はびくともしません。
さて、これが意味するのは何か。
乗り心地のいいサドルとして定評のあるアリオネ。そして、柔軟にしなるシートポスト・・・と来れば、事実アルミフレームのTCRでもかなりショックを軽減して乗ることができます。
今日両方の自転車の乗り心地をじっくりと確かめてみたのですが、Arioneは実に不快でした。ターニックスの方は乗るほどに馴染んできているので、今のところ不満がありません。
アリオネは座骨回りは最初快適なのですが、体重を受け止める面積が広すぎて圧力を分散してくれてはいるものの、広い範囲で圧迫感があり、尿道のしびれが来ます。そしてだんだんと座骨回りも不快になってきます。ふわつき感も気になりました。
特にしびれは最も不快です。サドルは水平にセットしているのですが、やはり体重をかけたらたわむので前上がりと同じになっているからに違いありません。TCRのサドルは、やや前下がり気味にセッティングすると乗ったときにちょうどよくなって良い感じになるかもしれません。
というわけで、サドルを前下がり気味に取り付けてみます。
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